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2016年10月20日 (木)

ニッポンオナガコバチの♂たち

約1か月ぶりの虫撮りのご報告。
1本のカクレミノの葉に小さなハチが集まっていました。ニッポンオナガコバチの雄のようです。例年11月頃から見かけるお馴染みのコバチですが、10月19日というのはかなり早い記録です。
この公園で毎年羽化を観察している数本のクロガネモチでは出てくるのは11月末頃からで、念のために少し離れた場所にあるその木を見に行きましたが、実は赤くなっているもののこのハチは1匹も見られず、またそれらしい脱出口の開いた実も確認できませんでした。
そこで思い出したのが3年前のそよかぜさんの記事で、11月初旬にナナミノキに雄たちが集まって雌の羽化を待つ様子を観察されたものです。それは同じ公園内のクロガネモチでの羽化よりも時期が早いということも書かれています。
もう1点気になったのが大きさで、今回撮影した雄のうち大きなものは翅端まで5mmほどもあり、これまでクロガネモチで見た最大の雄より1mmほども大きく、以前モチノキで見たモチノキタネオナガコバチと同等です。ニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum の雄とモチノキタネオナガコバチ M.hirsutum の雄は互いに酷似しているので、大きさから考えて最初モチノキタネオナガコバチかも知れないと考えましたが、この種の羽化の時期が5月下旬~6月と8月の年2回(こちらの記事への上條先生からのコメント)ということなので今頃まで雄が飛び回っているとは考えにくく、除外しました。
ここでも参考になるのがそよかぜさんの記事で、クロガネモチで羽化した個体よりも、より種子の大きなナナミノキから羽化した個体(いずれも雄)の方が平均して明らかに大型であることを確認されています。翅端まで4.5mm前後(クロガネモチからの個体は3.5mm前後)ということですから5mmの個体は異例ではないでしょう。
以上を考え合わせると、これまでこの公園でナナミノキにニッポンオナガコバチが来ているのは見たことがなかったのですが、やはりどこかにこのハチを発生させているナナミノキがあるものと思われます。今後の宿題ができました。
宿題と言えば、今年もとうとうこのハチの産卵シーンを見ることができませんでした。これも来年に持ち越しです。

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あちらこちらの葉に1~2匹づつ、また(特に小型の個体は)葉から葉へと盛んに飛び回っていました。

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これは最大クラスで、翅端まで約5mmあります。

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こちらは約3.5mm。別種かと思われるほど体色が違います。この種の雄はサイズが大きくなるほど暗化するようです(こちらの記事)。
3mmに満たないと思われる小型の個体も多数見られましたが、小さくなるほど落ち着きもなくなるようで、やたらと飛び回って撮影できませんでした。

_dsc0777edit2

_dsc0792edit2
しきりに葉面についた水(アブラムシの甘露?)を舐めていました。

(2016.10.19・明石公園)





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