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2016年11月 2日 (水)

ツノテマリワムシ(Conochilus unicornis)

これはツノテマリワムシConochilus unicornisだと思います。
同属のテマリワムシC.hippocrepisは50から100もの個体が集まって球状の群体を作ることからその和名がつけられたようですが、このツノテマリワムシではその数が25前後と少ないのが特徴の一つだそうです。しかしこの日見た群体は個体数がさらに少なくて3から7個くらいのものがほとんどでした。時期的な理由があるのかも知れません。
構成個体の数は少なくても、多数の群体がシャーレの中で風車のようにくるくる回っているのはなかなか面白い眺めです。

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右側の群体では中心部が多数の細かい粒子を含んだゼリー状の物質に包まれているように見えます。図鑑には膠質と表現されていますが、どんな機能があるのかは説明がありません。左側の群体には無いようです。
画面内のスケールバーは50μmです。(以下同じ)

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4個体の群体。

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足の周囲に「膠質」に含まれる粒子が多数見えています。

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これは観察中に群体から離れてしまった個体です。
頭部に長い毛を生やした突起が見えますが、これを腹触手と呼ぶそうです。近縁のテマリワムシモドキの仲間(Conochiloides属)ではこれが実際に腹部についているのでこの名があるんでしょう。その腹触手が頭頂にあるのがConochilus属で、2本あるのがテマリワムシ、1本だけ(癒合して1本に見えるそうです)なのがツノテマリワムシです。

動画です。

(2016.10.21・明石公園 桜堀にて採集)

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