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2017年11月10日 (金)

ナガコバチ科の一種 Neanastaus sp.

* 2017.12.15・追記 *

九州大学でナガコバチの研究をしておられるうろでらさんから、このハチはNeanastatus属ですがN. albitarsisとは別種の未記載種であるとのコメントをいただきました。タイトルの属名につけていた疑問符を外しました。

クズの葉を裏返して見つけたコバチです。
体長約2mmで、はじめトビコバチあたりかと思って撮影を始めたのですが、モニタを確認すると初見のナガコバチ科、しかもお馴染みの Neanastaus albitarsis にとてもよく似ています。
N. albitarsisは主に冬の間、葉裏などでかなり普通に見かける種ですが、このあたりで見かけるナガコバチ科の中でも際立って長大な中脚や美しい配色、翅をやや持ち上げた静止姿勢など、多種との違いが一目でわかる独特の特徴を持っています。今回見つけた種もそれらの特徴を共有していますが、大きさや色などに顕著な違いも多く、明らかに別種でしょう。
上のリンク先の記事にezo-aphidさんから寄せられたコメントによれば日本で記録されているNeanastausはalbitarsisただ一種ということですが、今回の種も特徴の一致点の多さから考えて同属の可能性が高いのではないかと思っています。

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採集して深度合成撮影を試みました。

Neanastaus_sp1

Neanastaus_sp3

Neanastaus_sp2

相変わらずフリーソフトの Combine ZP を使っていますが、脚などの重なり合った部分がどうしても綺麗に合成されません。有料ソフトを導入するべきなんでしょうね。

(2017.11.01・明石公園)

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コメント

はじめまして。九州大学でナガコバチの研究をおこなっておりますうろでらと申します。写真を拝見して大変驚きました。ご指摘の通り、この個体はNeanastatus属ですが、N. albitarsisではありません。実は手元にもいくつか同じ種の標本があり、それらを検した結果、明らかな未記載種であることがわかりました。未発表情報ですが、N. albitarsisはタマバエ類に主に寄生することがわかっております。クズに虫こぶを作るタマバエは多くいますから、この未記載種もそれらを寄主としている可能性が出てきました。いずれにせよ、極めて貴重な発見です。

投稿: うろでら | 2017年12月15日 (金) 01時22分

うろでらさん、はじめまして。
とてもよく似ているのでN. albitarsisに近い仲間だろうとは思ったのですが、未記載種だったんですね。ちょっと得意な気分です。またN. albitarsisが何に寄生するのかずっと気になっていたのですが、すっきりしました。一度産卵現場を見たいものです。この未記載種も寄主が判明するといいですね。そして名前がつくのを楽しみにしています。貴重な情報を教えていただき、ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2017年12月15日 (金) 20時40分

お返事ありがとうございます。この種の生態写真を撮影できたことは、ほんとうに素晴らしいことです。僕もこの種の生態写真を見ることができる日が来るとは夢にも思いませんでした。Neanastatus albitarsisについては、もしご連絡いただけましたら、私の研究結果をまとめた資料をお渡しできます。未記載種については産卵現場を観察できれば大ニュースです。

投稿: うろでら | 2017年12月15日 (金) 22時10分

うろでらさん、ありがとうございます。Neanastatus albitarsisは以前からお気に入りのコバチなんですが、見かけるのは越冬中の姿ばかりで、どんな生活をしているのか見当がつきませんでした。資料が拝見できるならとても嬉しいです。メールを差し上げますので、よろしくお願いいたします。

投稿: おちゃたてむし | 2017年12月16日 (土) 17時00分

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