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2018年2月 2日 (金)

トラケリウスの一種(Trachelius sp.)

これは繊毛虫の仲間で、以前にも出したトラケリウス属 Trachelius の一種だと思います。
コップの縁の一か所をつまんで細長く引き延ばしたような格好をしていて、シャーレに入れて実体顕微鏡で覗くとその部分を象の鼻のように振り回しつつ、くるくる回転しながら泳ぐ姿が見られます。
しかしこれをスライドガラスに取って生物顕微鏡で眺めていると、しばらくの間は元気に泳ぎ回っているのですが、なぜか間もなく動きを止めて、そのまま溶けるというか分解するというか、細胞が壊れて死んでしまうのです。スライドとカバーガラスの間には適当な物を挟んで運動を妨げないだけの隙間は残してあるので、照明の熱のせいかとも考えたのですが、光源をLEDに替えてもやはり長くはもちません。同じことは他の繊毛中でも起こりますが、今のところ原因の見当がつきません。

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Img_8039
動きが早いので追いかけながら撮るのはなかなか大変です。
スケールバーは100μm。

動画です。

活発に泳いでいますが、すでに突出部が溶けてなくなっています。

次の動画は細胞が崩壊する過程を写したものです。単に一個の細胞が壊れていくだけのことですが、なかなか劇的な見ものです。

途中何箇所かカットして短くしていますが、実際には約5分かかっています。
最後の最後までまだ溶けていない細胞表面の繊毛が活発に運動しているのが不思議です。

(2017.12.14・明石公園 剛の池にて採集)

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