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2018年10月の16件の記事

2018年10月31日 (水)

クロフチャタテ科 Aaroniella sp.

この夏から秋にかけての猛暑や台風、長雨などの影響か、いつもの公園でもお馴染みの虫の数が非常に少ない気がします。チャタテムシも例外ではなく、例年ならいくらでも見つかるはずの木の葉のケチャタテ類や樹幹で暮らすイダテンチャタテやムツテンチャタテ等もほとんど目にすることがありません。
このクロフチャタテ科の一種 Aaroniella sp. はもともといつでも見つかるという種ではありませんが、今年はこれまで全く見ていませんでした。写真は久しぶりに見つけた1匹です。

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このチャタテはいつも樹皮の間に張り巡らせた糸の下に潜んでいて、その糸には自らの糞と思われる小さな球体をくっつけています。カメラを近づけてもほとんど動かないのもこの種の特徴です。

(2018.10.22・明石公園)

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2018年10月30日 (火)

ヒメハダニカブリケシハネカクシの幼虫

ハダニが繁殖したクサギの葉裏にいた小さなイモムシで、ヒメハダニカブリケシハネカクシ Oligota kashmirica の幼虫だと思います。以前不明幼虫として掲載したものもおそらく同じでしょう。この日は成虫は見つけられませんでした。

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体長約1mm。何かに齧りついていますが・・・。

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ハダニにしては脚が見えませんし、その卵にしては大きすぎるようです。

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反対側から見てもよく分からず。

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やや大きめの別個体です。体長約1.3mm。

(2018.10.22・明石公園)

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2018年10月28日 (日)

ウロコナガコムシの一種

以前掲載したものと同種と思われますが、ウロコナガコムシの一種です。
地面に落ちた朽ち枝を裏返した瞬間5匹くらいの姿が見えたのですが、突然の明るさに驚いたのか一斉に逃げまどって適当な隙間に潜り込むまで動きが止まらず、前回よりましな写真は撮れませんでした。でも私にとっては余り撮る機会のない被写体なので再登場です。

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これは幼体かも知れません。体長約1.8mm。右の触角が切れていて、尾角も片方失っているようです。

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こちらは約2.3mm。

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この個体で体長約3.2mmです。尾角を両方失っていますが、このくらいが成虫の大きさでしょうか。触角も切れています。

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同じ個体です。数珠上の触角が綺麗ですね。

(2018.10.22・明石公園)

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2018年10月27日 (土)

本が出来ました

私の写真の本が出来ました。

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以前別の本にアリの写真を提供したのがご縁で、マイルスタッフの山下有子さんからこのブログの写真で本を作らないかというご提案をいただき、あっという間に話が進んで出来上がったのがこの「小さな生き物たちの世界を ルーペで覗いてみたら」です。
本を作ると言っても、元になるこのブログがご存知のようにかなり偏った内容なので、そこから果たして一般向きの本を仕立ることができるのか不安がありましたが、そこは流石にプロの編集者、山下さんが見事にまとめ上げてくださいました。監修はふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎先生です。
主たる対象は小学生くらいの子どもたちとそのお母さん(と、お父さん)と言うことで当ブログの傾向とは一味違う、山下さんの女性らしい視点が生かされたソフトで親しみやすい内容に仕上がっていると思います。
機会があれば是非手にとってご覧ください。アマゾンでも本日発売です。

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2018年10月26日 (金)

オオハリアリとツチトビムシの子ども

半分朽ちかけたサクラの幹の洞で、オオハリアリが巣穴から木屑を運び出していました。

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気温が低いせいか活発な活動はなく、同じ1匹の個体がのんびりと仕事をしていました。

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撮影後に気付いたのがこの1枚。アリの咥えた荷物に何か白いものが載っています。

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同じカットからの部分拡大。ツチトビムシの仲間のようです。まだ幼虫でしょう。以前アミメアリの引っ越し荷物に便乗(?)しているトビムシを撮影したことがありますが、アリの巣には各種のトビムシが同居することが知られているそうです。これもその一つでしょうか。折角居心地の良い巣の中で暮らしていたのにゴミと一緒に放り出されるとは不運ですね。

(2018.10.22・明石公園)

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2018年10月24日 (水)

カネタタキ雌雄

先日の台風のせいかトウネズミモチの枝が折れてぶら下がっていて、枯れて重なり合った葉を拡げてみるとカネタタキの雌雄が隠れていました。

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以前にも同じように重なった葉の間で雌雄のペアを見つけています。こんな場所が好みなんでしょうね。

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片手で葉を持ったまま撮影していると、一瞬雄が翅を持ち上げて鳴き始めたのですが、すぐに止めてしまいました。写真は立てていた翅を半分下ろした状態です。実際に鳴いているところはこちらに出しています。

(2018.10.22・明石公園)


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2018年10月22日 (月)

ウメマツオオアリとインドトゲマダラアブラムシ

コナラの葉の裏で、インドトゲマダラアブラムシ(カバイロトゲマダラアブラムシ)の小コロニーの傍らにウメマツオオアリの小型の働きアリが張り付いていました。
もちろんアブラムシの出す甘露が目当てなんでしょうが、気温が低いせいかじっとしたまま、触角もほとんど動かしていませんでした。

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(2018.10.15・舞子墓園)

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2018年10月16日 (火)

イツツモントビコバチ

11年前の今日撮った写真です。まだポジフィルムでの撮影ですが、その年の暮れには遅ればせながらデジタルに切り替えています。
低い草の上に乗っていたコバチで、撮影を始めると近くの石の上に降りてしばらく歩き回っていました。以前BABAさんのブログで紹介されていたイツツモントビコバチ Callipteroma sexguttata だと思います。撮影当時は翅を捻挫でもしているのかと思いましたが、これが普通の状態なんですね。被写体としてとても魅力的なコバチですが、この時以来未だに再会できずにいます。

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体長は約1.8mmです。腹節のパターンが変わっていますね。

(2007.10.16・明石公園)

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2018年10月14日 (日)

メノイディウム Menoidium sp.

ゴミの間を動き回っていた鞭毛虫です。メノイディウム Menoidium の一種だと思います。広義のミドリムシ類ですが、昨日の記事に出したようないわゆるミドリムシ(ユーグレナ Euglena)と違って葉緑体も眼点もなく、ほとんど無色透明に見えます。細胞はバナナを平べったくしたような形で、変形しません。

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細胞内に見える棒状のものはパラミロン粒。

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細胞前端から鞭毛が伸びているのが見えます。

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動画です。

(2018.10.05・明石公園 桜堀にて採集)

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2018年10月13日 (土)

ミドリムシの一種 Euglena ehrenbergii (ユーグレナ運動)

長さ300µmくらいもある大型のミドリムシを見つけました。おそらく Euglena ehrenbergii という種だと思います。

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図鑑に載っているのはちょうどこんな格好ですが・・・。

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しばらく見ていると、盛んに伸びたり縮んだりし始めました。いわゆるユーグレナ運動(euglenoid movement)ですね。

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動画です。

ついでにもう1本。


(2018.10.05・明石公園 藤見池にて採集)

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2018年10月12日 (金)

セスジスズメ若齢幼虫

相変わらず虫撮りが出来ていないので、またまた古い写真です。

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ヤブガラシの葉の上のセスジスズメ幼虫です。

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まだ若齢で、体長は約18mm。手触りの良さそうなマットブラックに綺麗に並んだ黄色い紋、とてもシックですね。因みに、終齢になるとこんな風になります。

(2010.10.06・明石公園)

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2018年10月 9日 (火)

タイヨウチュウ(Actinophrys sol)

ツリガネムシを眺めていて見つけたものですが、これは太陽虫類(有軸仮足虫)の一種のタイヨウチュウ(Actinophrys sol)だと思います。
このブログでは以前にオオタイヨウチュウ Actinosphaerium を紹介しましたが、それよりもはるかに小型です。ほとんど動かないように見えますが、藻類や繊毛虫を捕えて食べるとのこと。実際に現場を見なければ想像がつきません。

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因みにGoogleで「タイヨウチュウ」と検索するとこれに似た奴がたくさん出てきますが、「太陽虫」ではかなり異なる分類群の生き物(?)が見られます。

(2018.08.11・明石公園 桜堀にて採集)


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2018年10月 7日 (日)

エリヒゲムシとツリガネムシ

昨日の記事に出したツリガネムシ(Vorticella sp.)を見ていると、柄になにやら多数の付着物を持ったものがいました。

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柄についているものは鞭毛虫類の襟鞭毛虫(エリヒゲムシ目 Choanoflagellida)の一種でしょう。

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小さな細胞から長い鞭毛が一本伸びて、その根元は襟状、というよりコップ状の構造に囲まれています。

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鞭毛を盛んに打ち振っています。

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ツリガネムシの柄は頻繁に収縮しますが、その衝撃で振り落とされたり潰されたりしないのが不思議です。

エリヒゲムシの細胞の形や鞭毛の動きは次の動画の方が分かりやすいと思います。


(2018.08.11・明石公園 桜堀にて採集)

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2018年10月 6日 (土)

ツリガネムシの一種(Vorticella sp.)

ツリガネムシの仲間にはいろんなタイプがありますが、普通単にツリガネムシと言えばこのボルチセラ Vorticella 属を指します。ただこの属には多数の種が含まれ、類似種も多いので種までの同定は極めて難しいそうです。
以前にも同じタイトルで出していますが、今回少し違う角度から撮れたので再登場です。

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ちょうどカバーガラスの下で上向きになった細胞があったので繊毛の動きがよく分かる写真が撮れました。以前掲載したカンパネルラ Campanella 属と違って囲口部の周囲の繊毛列が1列しか無いようです。

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これは普通に横から見たところ。左や真中の細胞に見えるソーセージ状のものが大核です。

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柄が細胞ごとに個別に収縮するのもボルチセラの特徴です。

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群体の全景。

最後に動画です。


(2018.08.11・明石公園 桜堀にて採集)

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2018年10月 4日 (木)

アカバハネカクシ

相変わらず新しい写真が撮れていないので、このブログを始める以前の古い写真です。

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腐りかけて重なり合った大きなキノコの傘の間を歩き回っていたハネカクシです。アカバハネカクシ Platydracus paganus だと思います。

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立ち止まって触角の手入れを始めました。

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キノコの汁気でだいぶ汚れたんでしょう、数珠を爪繰るように念入りに手入れをしていました。

(2008.09.16・明石公園)



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2018年10月 1日 (月)

ミドリムシの一種(Euglena sp.)

ミドリムシの一種です。

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しばらく同じ位置でゆっくり伸び縮みを繰り返していましたが、やがて動き始めたと思うと珪藻に引っかかって動かなくなりました。

動画です。


途中でチラリチラリと鞭毛の動きが見えています。

次は別の細胞です。少し小型ですが多分同じ種でしょう。

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こちらはただゆっくり回転運動をしているだけでした。

動画です。



(2018.08.05・明石公園 桜堀にて採集)

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