クサカゲロウ孵化幼虫
先日はシャリンバイでしたが、今度はクワの葉裏でクサカゲロウ類の卵を見つけました。
しかしよく見るとほとんどは幼虫が出た後の抜け殻で、数匹の孵化幼虫がまだ離れずに残っているだけです。
残っている幼虫たちは、どうやら卵殻から抜け出すことが出来ないでいるようです。
この幼虫はもうほとんど抜け出しているようなのですが、お尻の先が離れなくてもがいているように見えます。それとも単にまだ旅立つ気にならないだけでしょうか。
(2019.05.23・明石公園)
先日はシャリンバイでしたが、今度はクワの葉裏でクサカゲロウ類の卵を見つけました。
しかしよく見るとほとんどは幼虫が出た後の抜け殻で、数匹の孵化幼虫がまだ離れずに残っているだけです。
残っている幼虫たちは、どうやら卵殻から抜け出すことが出来ないでいるようです。
この幼虫はもうほとんど抜け出しているようなのですが、お尻の先が離れなくてもがいているように見えます。それとも単にまだ旅立つ気にならないだけでしょうか。
(2019.05.23・明石公園)
このところ、いつもの公園ではいろんな樹木の葉の裏にこの綺麗なアザミウマがたくさん見られます。ただし成虫ばかりで、ルーペ片手にいくら探しても幼虫らしきものが見つかりません。
前の記事で Trichromothrips elegans Masumoto & Okajima という種名を教えて下さった時鳥庵 庵主さんによればこの種はアオキで発生することが分かっているということなので、園内のアオキを当たってみることにしました。
これはそのアオキの葉裏です。多くの葉で主脈に沿ってこのような黒点状の傷が見られ、はぼ必ずその傍らに1匹から2匹の Trichromothrips elegans がいました。しかし幼虫はやはり見つかりません。
さらに拡大して見ましたが、ほんとに産卵痕なのかどうかよく分かりません。
お尻を上げて歩き回るものもいました。
この種が年1化だとすれば幼虫探しは来年の春まで待たないといけないのかも知れません。
(2019.05.23・明石公園)
キンモンホソガ属 Phyllonorycter の蛾はこれまでにも何度か(2014.11.21、2016.03.20、2017.05.28など)出していますが、この種ははじめてだと思います。
いつものようにみんなで作る日本産蛾類図鑑で探してみるとコゴメウツギキンモンホソガ Phyllonorycter stephanandrae と言う種に翅の模様がよく一致するようですが、他にもよく似た種があるのかも知れません。とりあえず疑問符付きで種名を掲げておきます。
(2019.05.23・)明石公園
クスベニヒラタカスミカメ Mansoniella cinnamomi は近年近畿を中心に急速に分布を拡げつつある外来カメムシです。私自身は昨年の夏、台風通過後に自宅窓ガラスにとまっている成虫を見たのが初めてでしたが、寄主植物上での自然な状態はまだ見ていませんでした。
特にそよ風さんやBABAさんのサイトでも紹介されていた特異な姿の幼虫は是非撮影したいと思っていたところ、今回ようやく見つけることが出来ました。
体長約3mmの幼虫です。
クスノキのひこばえの葉裏で見つけましたが、気温の高い日で葉を裏返すとすぐに歩き始め、なかなかシャッターチャンスを掴めません。それでも何個体も根気よく追い回しているとたまに立ち止まって吸汁を始める者もいて、どうにか撮影することが出来ました。それにしても、ほんとに妙な姿です。
同齢と思われる別個体。葉裏から吸汁しながら腹部をゆっくり左右に動かしていました。
触角の膨らんだ部分には、よく見ると透明なところがあります。ヤニサシガメなどと同じく、全身が透明な液体に覆われているようです。原料はやはり自分の排泄物でしょうか。
(1~3枚目:2019.05.22・舞子墓園/4~6枚目:2019.05.24・学が丘北公園)
デトリタスの中から這い出してきた、ツボカムリの仲間です。
殻が比較的扁平に見えること、表面に棘状の突起があることなどからフセツボカムリ属Centropyxisの一種だろうと思います。
棒状の仮足を1本だけ伸ばして移動していました。
(2019.04.30 自宅ペットボトル)
昨日の記事に出したダルマカメムシを探している時に、同じアラカシの幹を青く光るコバチが歩いているのを見つけました。冬季、葉裏で越冬しているのをよく見かけるニジモントビコバチ Cerapteroceroides japonicus の雌によく似ているのですが、翅の黒紋や胸部背面の色が違うようなので、 Cerapteroceroides sp.としておきます 。
樹皮の窪みを触角で探りながら歩く様子からおそらく寄主探しの最中だろうと見当をつけてしばらく見守っていると、案の定産卵を始めました。
40分ほどの間、何度も見失いながら追いかけ続けましたが、その間に数度の産卵を見ることが出来ました。その産卵管を突き刺している相手は一見樹皮の他の部分と見分けのつかないようなちょっとした塊ですが、どうやら以前ヒメコバチ科Tetrastichinae 亜科の一種が産卵していた、とりあえずカシノアカカイガラムシの中間幼虫と考えているものと同じもののようです。またこの場面を撮影した木を含めた数本のアラカシには毎年カシノアカカイガラムシが発生するのを観察していて、2013年の記事に掲載した Tetrastichinae の産卵も同じ場所で撮影しています。
北隆館の大図鑑のニジモントビコバチの項には「各種のカイガラムシやキジラミから羽化するが、第2次寄生蜂である」とあります。この不明種も同様の生活史を持っているとすれば、もしかしたらこれらのヒメコバチとトビコバチは1次寄生者と2次寄生者の関係にあるんでしょうか。
寄主探しにはこの巨大な触角が威力を発揮するんでしょうか。
画面上に見える、やや赤みがかった塊がカシノアカカイガラムシの中間幼虫と考えられます。
体長約1.6mm、翅端まで約2.0mmです。
この真上から撮った写真では複眼の後ろ、頬の部分が見えていますが、これまでに撮影したニジモントビコバチの同じ角度からの写真ではそれが複眼に隠れて見えません。また胸部背面全体がほぼ一色でニジモンのような縦筋状の色分けがなく、翅の中央部に広い透明部がある点もニジモンとは異なります。アブラニジモントビコバチ Cerapteroceroides fortunatus とも違うようで、もしかしたらニジモントビコバチと外見がよく似ていると言う C.similis がこれなのかも知れません。
(2019.05.19・明石公園)
そろそろダルマカメムシの幼虫が出てくる頃だと思って、毎年のようにこのカメムシが見つかる数本のアラカシの幹を調べて回りました。
結構人通りの多い場所で、木の幹に顔を近づけて時々ルーペなどあてがいながら舐めるように見て回る姿はいかにも不審ですが、幸い誰にも声をかけられることなく何とか1匹だけ、探しものを見つけることが出来ました。
体長は約1.8mm。以前に出した終齢と思われる幼虫は2.7mmほどの体長でしたから、これは2齢か3齢くらいでしょうか。
このカメムシは恐らく木の幹で一生を送るのだろうと思われて、それならばそのうち産卵や羽化の様子、また卵なども見ることが出来るのではないかと期待しているのですが、未だにそのどれも見ることが出来ません。
(2019.05.19・明石公園)
土留めの丸太を歩いていたサビヒョウタンゾウムシ Scepticus griseus です。
足元の丸太を指の先で軽く叩くとしばらく動きを止めたので、その間に撮影しました。
顔中に不規則な形の鱗片をべたべたと張り付けた感じで、同じクチブトゾウムシ類でもこちらなんかに比べるといささか不細工ですね。
体長約6mm。
(2019.05.18・明石公園)
アベマキの葉裏にとまっていました。
頭端から翅端まで約4.4mm。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」にツヤコガ科 (Heliozelidae) 属不明として掲載されている種によく似ています。ただそちらの画像では上翅のよく目立つ2本の白帯の他に頭部のすぐ後ろの胸部背面にも細いもう1本の白帯が見えていて、それが下の写真にはありません。別種なのか、それとも個体差または雌雄差なのか分かりませんが、いずれにしても属以下の同定は無理なようです。
(2019.05.18・明石公園)
イヌビワの葉裏を歩いていたマルトビムシの一種です。
広い緑葉の上を緑色の点が動いていくので、私の老眼でも見つけることが出来ました。
体長約0.8mm。こちらの黄色いのにちょっと似ているようですが、今回のものは下の写真のように顔の真ん中に黒い紋があります。
しばらくカメラで追っているとやがて立ち止まって何か食べ始めました。
透明の袋のようなものを食べているらしいのですが、何なのかわかりません。
(2019.05.18・明石公園)
シャリンバイの葉裏になにか綺麗なものが見えます。
葉裏ではナシミドリオオアブラムシの幼虫が集まってせっせとお食事の最中です。クサカゲロウの雌は生まれてくる子どもたちのために食料源の真ん中に卵を産み付けたんでしょうね。
ところがその卵は将来の獲物となるべきアブラムシの排泄物をもろに被ってこんな状態に。
孵化したクサカゲロウの幼虫たちは無事に獲物のいる場所に辿り着けるんでしょうか。
(2019.05.16・明石公園)
昨日の記事のクストガリキジラミを探している時に、同じクスノキの葉の裏に変なものを見つけました。
径4mmくらいのほぼ円形で、クモの卵嚢にしては平べったい形です。
更に拡大。即席麺を透明にしたような感じです。太さは大体0.025から0.05mmくらい。
どうも動物由来のもののように見えません。クスノキの葉から生じた真珠体のようなものでしょうか。見当がつきません。
(2019.05.16・明石公園)
クスノキの新葉を裏返してクストガリキジラミ Trioza camphorae の幼虫を探してみると、期待通りの小さいのが見つかりました。
左の個体が体長約0.33mm、右の大きい方が約0.88mm。1齢と2齢ではないかと思いますが、同齢かも知れません。
これは約0.36mmの個体。カシトガリキジラミの幼虫(多分1齢)によく似ています。葉面の白い米粒のようなものは気孔です。
(2019.05.16・明石公園)
カエデの葉に乗っていた小さな蛾です。
モグリチビガ科で検索すると、お馴染みのそらさんのところをはじめたくさんの画像が出てきます。多くは下の写真のように翅に銀色の帯がありますが、帯の本数や位置、太さは様々で、かなりの種数があるように見えます。この個体もモグリチビガ科には間違いないと思いますが、種までの同定は難しそうです。大きさは翅端まで約3.3mmです。
(2019.05.12・丹生山)
山道わきに転がっていた倒木の樹皮を剥いでみると、右往左往するオオハリアリの集団の中にピンク色のヤスデがいました。
撮影時は脱皮直後の体色かと思ったのですが帰宅して検索してみると同じような色のヤスデの画像がいくつも出てきます。中でもBABAさんが掲載されているものがよく似ていて、同種かも知れません。
そのBABAさんも書いておられるようにネット上ではヤマシナヒラタヤスデとしてよく似た画像が出てきますが、他にも似た種がありそうなのでBABAさんに倣ってヒラタヤスデ科の一種としておきます。
体長は約13mm、胴節は43か44だと思います。画面右下にちらりと1匹写っていますが、オオハリアリの群れと同居していて攻撃されないのが不思議です。
(2019.05.12・丹生山)
カノコマルハキバ Schiffermuelleria zelleri です。最近BABAさんのところに登場したのを憶えていたのですぐに名前が分かりました。頭端から翅端まで約11mm。小さいけれどとても綺麗な蛾です。
先の白い触角を交互にゆっくりと動かしていたので動画も撮りました。
蛾を載せた葉は風に揺れ、カメラを持つ手も震えて見苦しい画面ですがご勘弁を。
(2019.05.12・丹生山)
何気なく道端のサルトリイバラの枝を持ち上げてみるとこの刺だらけの幼虫が目に入って、思わず手を離しそうになりました。
このルリタテハの幼虫は9年前の秋にも出していて、今回は季節は違いますが場所は同じです。いつも徘徊している近所の公園ではまだ見たことがありません。
いきなり枝を持ち上げたせいか、見つけた時にはお馴染みのこの姿勢でした。大きさや棘の色からみて終齢だと思うのですが、9年前のものとかなり体色が異なります。それが季節の違いによるものか、あるいは齢が同じではないのか、参考にネット画像を見てみると同じ終齢と思われる個体でも体色にはいろいろなタイプがあるようで、よく分からなくなってしまいました。
アップを撮るために葉をつまんでいた手を離し、移動の準備をしてからふと見れば幼虫はもりもりと葉を食べている最中でした。
(2019.05.12・丹生山)
ヒメジョオンの花で花粉を食べていたハネカクシです。
7年前の記事にもよく似た種を出していて、Eusphalerum 属かOmalium 属あたりと見当をつけていましたが、そちらは腹部の色が黒っぽく、ほぼ全身が黄褐色の今回の個体とは異なります。
とりあえずEusphalerum (ハナムグリヨツメハネカクシ属)で検索してみると、Aclerisさんのいもむしうんちは雨の音(旧)によく似た種の標本画像が掲載されていました。交尾中の雌雄を採集されたもので、やはり雄の腹部が黒色です。ニホンハナムグリヨツメハネカクシ Eusphalerum japonicum と同定されています。
下の写真ではAclerisさんが同定に使われた特徴をすべて確認することは出来ませんが、ご近所でもあり、7年前のものが同種の雄で今回のものが同じく雌という可能性が高いと思います。
複眼の間に単眼が一対見えます。ヨツメハネカクシ亜科 Omaliinae の特徴なのだそうです。
(2019.05.08・学が丘北公園)
今頃の季節に見かけることの多いケブカキベリナガカスミカメです。
この日もコナラの葉で何匹か見つけましたが、そのうちの1匹が葉裏で虫こぶに口吻を突き刺していました。
以前に何かの繭を吸っているのを見たことがあるので、今回も虫こぶの中の幼虫か蛹を吸っているのかと思いましたが、この虫こぶはすでに穴が開いていて、中の虫は羽化・脱出した後のようです。
その葉をつまんで撮影を始めるとカメムシは葉表に回ってしまいましたが、それでも反対側から同じ虫こぶに口吻を突き刺して吸い始めました。葉の他の部分より味がいいのでしょうか。
散歩がてらに行ってみた近所の小公園でイヌビワシギゾウムシを見つけました。
イヌビワの実に口吻を差し込んでいるのでこれが雌であればこの後産卵か、と期待しましたが枝を摘んで撮影を始めると回れ右をして立ち去ってしまいました。残念。
(2018.05.05・松が丘公園)
近所の海で採集したビンガタカラムシ(Favella)の一種です。
繊毛虫の一種で、すでに2年前にも出しているのですが、今回は動画も撮りました。前回の記事にも書きましたが、撮影しようとしてカバーガラスの下に閉じ込めると短時間で弱ってしまうことが多いので、同じ個体を追い続けるということがなかなかできません。というわけで下の1枚目と2・3枚目は別個体です。
元気な間は非常に活発に泳ぎ回り、低倍率でも追いかけるのは大変です。
細胞が死んでも殻は損なわれずに残るので、種の同定はもっぱらこの殻の形態に拠っているそうです。
動画です。
(2019.04.26・西舞子海岸にて採集)
タルガタゾウリムシ、あるいはヨロイミズケムシという和名のついた繊毛虫の一種です。
非常に活発に泳ぎ回り追いかけながら撮影するのが難しいので、ゴミ(デトリタス)に囲まれて動きを制限された奴を狙いました。
次は偶然紛れ込んでカバーガラスに押しつぶされたノープリウス幼生の、とび出した内容物を食べに来たコレプスです。
最初のものよりずんぐりした体型です。同種だと思いますが、分裂後間もないものかも知れません。
(2019.04.24・自宅ペットボトル)
* 2019.05.07・動画追加 *
動きが遅くて撮影しやすい個体がいたので追加しました。
(2019.05.05・自宅ペットボトル)
近年瀬戸内海の魚が減り続けているそうです。下水の普及や河川の改修による貧栄養化による植物・動物プランクトンの減少が主な原因ではないかと言われていますが、たまに近所の海でネットを曳くだけでも獲れるプランクトンが種類・量ともに10年前に比べてはるかに少なくなっていることは実感できます。
フィルムカメラ時代に何度も撮影したものの中にも、現在の機材で撮りなおしたいと思いながら未だに再会出来ない種類がたくさんあります。この日も久しぶりにネットを曳いてきたのですが、収穫はまったく期待外れでした。
下は乏しい収穫の中でちょっと気に入ったカイアシ類です。綺麗な叉肢 を持っていて、ちょっとこちらに似ていますが別種のようです。
(2019.04.26・西舞子海岸にて採集)
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