2019年6月の38件の記事
2019年6月30日 (日)
2019年6月29日 (土)
クロスジキヒロズコガ
足元からとび出して石垣にとまった小型の蛾。頭端から̪翅端まで約6mmです。
「みんな蛾」でクロスジキヒロズコガ Tineovertex melanochryseus と当りをつけて画像検索をかけると8年前の当ブログの記事が出てきました。今度のものの方が黄色部が広いようですが、同種だろうと思います。
同種の標本画像を掲載されているAclerisさんの記事によれば、ヒロズコガ科の特徴の一つは下唇鬚(かしんしゅ)に剛毛が生えていることだそうです。
(2019.06.20・明石公園)
2019年6月28日 (金)
トンボを捕えたシオヤアブ
2019年6月27日 (木)
ギンシャチホコ1齢幼虫
前回の記事のシャチホコガ幼虫を撮影した後、すぐ近くのコナラの葉の裏でさらに小さな、やはり黒っぽいゴミのように見える芋虫を見つけました。かたわらには殻になった卵殻が残っていて、孵化して間もない1齢幼虫のようです。
これほど若齢のものははじめてですが、お尻のあたりの独特の形からギンシャチホコではないかと見当をつけて調べてみると、当たっていました。
(2019.06.18・舞子墓園)
2019年6月26日 (水)
シャチホコガ若齢幼虫
ネジキの葉の柄のあたりに黒いゴミの塊のようなものがついているので、葉を引き寄せてよく見ようとすると塊が伸びてシャチホコガの幼虫になりました。
かなりの頭でっかちで体長約6mm。小さながらも道具立ては揃っていますが、独特の威嚇のポーズはまだ身につけていないようです。
(2019.06.18・舞子墓園)
2019年6月24日 (月)
2019年6月23日 (日)
フサトビコバチの一種(?Cheiloneurus sp.)
コナラの葉裏を歩いていたトビコバチです。
触角で探りながら主脈や側脈に沿って行ったり来たりしている様子は寄主を探している最中のようです。何枚か撮影した後、葉を手に持ったまましばらく見守っていましたが、その葉では寄主が見つからなかったのか、それとも危険を感じたのか、やがて飛び去ってしまいました。
以前にも見た記憶があったので調べてみると、5年前の同時期にフサトビコバチの一種(?Cheiloneurus sp.)として掲載したものと同じ種のようです。数日後別の場所でも同じように広葉樹の葉裏を歩き廻っている本種を2度ほど見かけているので、ちょうど今頃が活動の最盛期なのでしょう。北隆館の大図鑑によれば、Cheiloneurus 属はすべて(カイガラムシ類の?)第2次寄生蜂なんだそうです。
体長は約1.3mm。いつまでも歩き廻って止まらないので、顔面写真は撮れませんでした。
(2019.06.18・舞子墓園)
2019年6月22日 (土)
ヒゲナガサシガメ?の卵
2019年6月21日 (金)
ミドリグンバイウンカ 幼虫
ナンキンハゼの葉裏にいたミドリグンバイウンカ Kallitaxilla sinica の幼虫です。
体長は約1.3mmと小さく、尾端から針のように伸びる蠟物質も数が少ないのでまだ若齢と思われます。
終齢幼虫でも尾端に一対の小さな黒点がありますが、この若齢幼虫ではそれが赤くて非常に目立ちます。ここでも「マエムキダマシ」の効果があるんでしょうか。
(2019.06.18・舞子墓園)
2019年6月20日 (木)
2019年6月19日 (水)
アザミウマの一種
ヒメジョオンの花の中にいたアザミウマです。
以前クチナシの花に来ていた種(ハナアザミウマ?)に似ていますが、同じ種ではなさそうです。
体長は0.9~1.1mmくらいです。
(2019.06.09・明石公園)
2019年6月18日 (火)
2019年6月17日 (月)
タマヌキケンヒメバチ
立ち枯れのコナラに2~3匹の雌のヒメバチが集まっていました。幹の上をあちこち移動して時々産卵姿勢をとるのですが、すぐに姿勢を解いて別の場所に行ってしまい、じっくり撮影できませんでした。結局こちらが見ている間には産卵に至らなかったようです。
体長は約16mmで、以前にも掲載しているタマヌキケンヒメバチ Jezarotes tamanukii だと思います。
(2019.06.05・舞子墓園)
2019年6月16日 (日)
ラッパムシの一種(Stentor sp.)
ラッパムシ(Stentor)の一種です。当ブログでは何度も出していますが、今回は大勢の集団が見つかったので低倍率の暗視野で撮ってみました。
珍しいものでもありませんが、こういうものを眺めていると時の経つのを忘れます。
(2019.05.25・西区伊川谷の溜池にて採集)
2019年6月15日 (土)
2019年6月14日 (金)
珪藻美術館~ちいさな・ちいさな・ガラスの世界~
遅ればせながら、話題の本の紹介を。「珪藻美術館~ちいさな・ちいさな・ガラスの世界~」です。
実はしばらく前には買っていて、これは是非当ブログでもご紹介しなければ、と思いつつ、その種の文章は大の苦手なものでついつい後回しになっていました。
プランクトンや顕微鏡の趣味をお持ちの方にはあらためて紹介するまでもありませんが、著者の奥修さんは珪藻標本の製作・販売をしているミクロワールドサービスの代表で、研究・教育用の標本製作とともに各種の珪藻を様々なデザインで美しく配置した「珪藻アート」を作っておられる方です。本書ではその、顕微鏡でしか見ることのできない珪藻アートの世界を多くの美しい図版で十分に堪能することが出来ます。これは愛好者でなくとも必見です。
本書の構成は大きく三つに分けられて、まず最初に珪藻についての基礎的な知識、次にその珪藻をアート作品に仕上げるまでの呆然とするほど緻密な製作過程、そして最後にその作品を著者自ら撮影された多数の美しい写真と続きます。
言うまでもなく本書の目玉はこれらの驚異的な作品の数々ですが、それとともに全体に大変よく配慮の行き届いた構成で、読み物としてとても魅力的な本に仕上がっています。
本書は福音館書店の「たくさんのふしぎ」という、子供向きの月刊雑誌の中の1冊として刊行されています。そのため文章は読みやすく、漢字にはすべてルビがふってありますが、その内容は本格的なもので、同種の読み物にありがちな安直な単純化や当世風の曖昧な言い回しがどこにも見あたりません。当然あまり日常的ではない言葉や表現も多少は出てきますが、それでいて難しい話を聞いている気が少しもしないのは、対象を知りつくした著者がいかにそれを伝えるかを考え抜き、ひとつひとつの言葉をよく吟味しながら書き進めたものであるためと推察されます。話の進め方も巧妙で、「私は、ガラスを集め、ならべて、一つの作品をつくるという仕事をしています。」というふうに始まる本文はわくわくするような期待感に溢れていて、大人でも子供でも一気に読んでしまえるでしょう。これらのことすべてが本書が充分な手間と時間をかけて練り上げられたものであるということとともに、著者がその作品の製作と同様の手抜きを許さない真剣さで取り組んだものであることを示しています。
一般に子供に読ませる本は親が選んで買い与える場合が多いようです。この本を手にとったお母さん方(や、お父さん方)は、年少の子には少し難しいと感じられるかもしれません。しかし子供の成長は早く、買った本は何度でも読めるので、美しい図版に興味を掻き立てられれば本文が理解できるようになるまで時間はかかりません。子供に読まれる本にはいかに手っ取り早く受け入られるかということよりも、その子供が本当に興味を持った時に失望させないものであることの方がより重要なのです。本書はそれだけの内容を持っていて、それは同時に大人が読んでも十分に楽しめるということを意味します。
著者は珪藻プレパラート製作の第一人者であるとともに、光学顕微鏡観察・撮影技術のエキスパートでもあります。そのノウハウの一端は長年続けられているブログ「本日の画像」にたびたび紹介されていて、これは私も含め多くの顕微鏡愛好者にとって観察のヒントの宝庫でもあり、教科書ともなっています。まだご存知でない方は是非ご覧ください。
この「珪藻美術館」はとても好評とのことで、すでに在庫も少なくなっているようです。先述のように月刊雑誌なので、出版社の在庫が無くなれば再版はされないので是非お早めにお求めください。
またこのシリーズでは時々、バックナンバーの中から特に人気のあった作品を選び、ハードカバーの単行本として刊行されています。いずれこの作品がその「傑作集」の一冊としてお目見えすることを期待しましょう。
最後に、これで770円は安すぎます。
イスノキの実に産卵する Neanastaus albitarsis (ナガコバチ科)
今回の舞台は先日の記事でカタビロコバチが産卵していた、そのすぐ近くの別のイスノキです。
多数のカタビロコバチがゆっくりと歩いたり産卵したりしている中に、一匹だけ毛色の変わったコバチが実を一つ一つ探りながら速足で歩き回っているのに気が付きました。しばらく遠目で追いかけた後、ようやく一つの実で立ち止まり産卵を始めたので近づいてみると、越冬中の姿はお馴染みですが、未だ活動中の姿を見たことのなかったナガコバチ科の Neanastaus albitarsis Ashmead、1904 でした。
このハチの寄主については、以前の記事へのコメントでezo-aphidさんから Neanastaus 属の多くはタマバエに寄生するということを、また以前掲載した同属未記載種の記事へのコメントの中でうろでらさんから(未発表情報として)N.albitarsis はタマバエ類に主に寄生することがわかっているということを教えていただきました。
この同じイスノキでは以前、多数の実にタマバエの蛹殻が残されているのを見ていて、今年の春にも確認しています。ネットで情報を探してみると、Dr.カーバチの虫めがねというブログの「イスノキミタマバエ」に関する記事が見つかりました。このタマバエに寄生されたイスノキの実は正常に大きくなれない上に種子もつくれず、このような実は虫嬰としてイスノキミコガタフシと名付けられているそうです。今回産卵を見たN.albitarsis の寄主もこのタマバエである可能性が高いと思われます。また同時期に産卵するカタビロコバチも同じ寄主で競合しているのかも知れません。
実は堅そうに見えますが、意外に易々と産卵管が入っていくようです。
産卵管を引き抜いた後、同じ場所に口をつけてしばらくじっとしていました。寄主体液摂取行動だと思いますが、厚そうに見える果皮を通して体液が滲みでてくるんでしょうか。
(2019.06.06・明石公園)
2019年6月13日 (木)
イカダケイソウ(Bacillaria sp.)の運動
このBacillaria属の珪藻の和名にはイカダケイソウとクサリケイソウの二つが存在するようで、最近出た「プランクトンハンドブック・淡水編」では後者が優先されています。「ナンキンタマスダレケイソウ」というのが長過ぎて使えないとすれば、個人的にはまだ「イカダ」の方が実態に合っているように思うのですがどうでしょうか。
これは近所の溜池で採取した水の中で盛んに運動していたBacillaria属の一種です。水の層が厚いためなかなか全体にピントが合った状態に留まってくれませんが、あまり水を少なくするとすぐに動かなくなってしまうので、加減が難しいところです。
(2019.05.25・西区伊川谷の溜池にて採集)
オオクロヒョウタンカスミカメ?(Pilophorus ?niger)
アブラムシのついたトベラの枝で、甘露目当てのアリが走り回っているのを眺めていると、すぐ近くの葉裏でこの黒いカメムシがじっとしているのが目に入りました。
撮影のために枝を持つと案の定あちこち逃げ回り、それでも何とか追い詰めて数枚撮ることが出来ました。ヒョウタンカスミカメの仲間ですが大型で、全身ほぼ真っ黒、初めて見る種です。
日本原色カメムシ図鑑・第2巻にあたってみるとオオクロヒョウタンカスミカメ Pilophorus niger で間違いなさそうに思えるのですが、農研機構の日本産ヒョウタンカスミカメ族の図説検索の検索表ではこの種に辿りつけませんでした。「後方の銀白色鱗毛列より後方の半翅鞘革質部は『全体に光沢がある』か 『外半部のみ光沢がある 』」という項目で、写真を見る限り「全体に光沢がある」ように思うのですが、そちらを選ぶとこの種は除外されてしまうのです。
写真では反射の具合などによりかなり印象が違ってくるものなので、タイトルにはとりあえず疑問符付きでこの種名を入れておきます。
近くにいた幼虫。
因みに当ブログではこれまでにホソ・ミツボシ・クロ・ツヤの4種のヒョウタンカスミカメ属を掲載しています。
(2019.06.05・舞子墓園)
2019年6月12日 (水)
ユレモの一種( ?Phormidium sp.)
ゆっくり動いているユレモの一種です。フォルミディウム属 Phormidium だと思いますが、ユレモ属 Oscillatoria との違いがよく分からないので、そちらの方かも知れません。
以前掲載したアファニゾメノン Aphanizomenon でも同じような動きが見られましたが、糸状藍藻にはこのような運動をするものは多いそうです。
(2019.05.25・西区伊川谷の溜池にて採集)
イスノキの実に産卵するカタビロコバチの一種
昨年は見る機会がありませんでしたが、いつものイスノキに今年もまたカタビロコバチの一種が産卵に来ていました。
繰り返しになるので2枚だけにしておきます。今回は雄の姿は見当たりませんでした。
このイスノキの実にはタマバエの一種が寄生することが分かっているので、このカタビロコバチはそのタマバエに寄生しているのではないかと思っています。
(2019.06.01・明石公園)
2019年6月11日 (火)
ピキシコラ属の一種(Pyxicola sp.)
以前掲載したコスルニア Cothurnia と同じく筒状の殻に収まったツリガネムシの仲間ですが、こちらには「蓋」があります。
殻の中に見える楕円形の塊は分裂途上の娘細胞だと思います。「蓋」はオペルキュルム operculum と呼ばれていて、細胞が殻(ロリカ)の中に引っ込んだ時に口を閉じる仕組みになっています。巻貝の蓋のようなものでしょうか。上の写真では頭部の横にくっついている、殻と同じ色の小片がそれです。
蓋が閉まった状態の写真は撮り忘れたので 、下の動画でご覧ください。
(2019.05.25・西区伊川谷の溜池にて採集)
2019年6月10日 (月)
ヒロクチバエ科の一種(Neohemigaster sp.)産卵行動
3年ぶりに再会したヒロクチバエ科 Neohemigaster 属の一種です。
状況は前回と全く同じでコナラの幹を産卵管を伸ばしながら歩き回っていたのですが、今回はゆっくりと産卵場面を撮ることが出来ました。
歩き方は緩慢ですがコナラの樹皮の上ではこの体色と斑紋は大変有効な保護色で、一度目を離すと見つけるのに苦労します。
前回の記事の写真と比べると、複眼の模様に結構違いがあります。個体ごとに違うのかも知れませんね。
(2019.06.05・舞子墓園)
2019年6月 9日 (日)
ツリガネムシ(Campanella sp.)の繊毛
大型のツリガネムシ Campanella属の繊毛です。
真上からの撮影を何度か試しているのですが、前回の記事にしたものとは少し違った感じに写りました。
(2019.05.25・西区伊川谷の溜池にて採集)
2019年6月 8日 (土)
ツリガネムシの分裂
細胞分裂途上のツリガネムシ vorticella sp.ですが、見つけた時にはすでに最終段階に入っていました。
二つに割れた右側の細胞には口周部の繊毛環の他に柄に近い方にも繊毛環が生じています。これは分裂後の遊泳のためのものだそうです。この娘細胞は形が徐々に細長くなるとともに遊泳用の繊毛の動きが活発になり、最後に柄を離れて泳ぎ出ます。この状態を遊泳幼生と呼ぶそうです。やがて適当な場所を見つけて定着し、一人前のツリガネムシになるのだと思います。
(2019.05.11・明石公園 剛の池にて採集)
2019年6月 7日 (金)
トゲツボカムリ?(Difflugia ?corona)
多数の仮足を伸ばして移動中のツボカムリの一種です。殻の上部に等間隔に並んだ3本の刺が見えるので、おそらトゲツボカムリ Difflugia corona だと思います。この種であれば開口部の縁に4個から20個の歯状突起があるそうなのですが、終始その開口部を下に向けてスライドガラス上面に張り付いた状態で動いていたので確認できませんでした。
(2019.05.25・神戸市西区伊川谷の溜め池にて採集)
2019年6月 6日 (木)
コガタツボワムシ(Brachionus angularis)
これはコガタツボワムシ Brachionus angularis だと思います。
日本淡水プランクトン検索図説によればこの種は被甲の形やその前・後縁に生じる突起の有無や形によっていくつもの変種に分けられているようですが、下の動画に登場する2個体はいずれも基本形(ver.angularis)としてよさそうです。
こういう厚みの大きい対象の全体の形をひと通り把握するには、ピントの浅い静止画ではかなりの枚数が必要ですが、動画で、特に相手が自分で動いている場合はピント位置が連続的に移動するので好都合です。この動画でも必要な場所で再生を止めながら見ていくとこの種(変種)の特徴とされている形態はほぼ確認できます。
(219.05.17・明石公園桜堀にて採集)
2019年6月 5日 (水)
2019年6月 4日 (火)
ゴミグモの雄
イヌビワの葉の下に、黒いゴミグモのオスがぶら下がっていました。
以前に見た時もやはり葉の下にぶら下がった状態でしたが、ネット上の画像を探してもゴミグモの雄が雌と同じような巣に陣取っている画像が出てきません。この種の雄は巣を張らないんでしょうか。だとすればどうやって獲物を捕えるんでしょうね。
写真をよく見れば体の前方に放射状に伸びる糸が何本か見えますが、獲物を捕えるための網のようには見えません。
この状態で頭端から腹端の突起の先まで約9mmです。
(2019.05.16・明石公園)
カイミジンコの一種
溜め池で採集したカイミジンコの一種です。
全身が2枚貝のような殻に収まった甲殻類ですが、これはかなり殻の膨らみが大きい種です。押しつぶさない程度にカバーガラスの下の水の層をたっぷりとってやると、殻を立てて歩き始めました。
(2019.05.11・明石公園 桜堀にて採集」
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