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2019年7月11日 (木)

クロバイトガリキジラミ(タイトル変更)

* 2019.11.27・追記とタイトル変更 *

このキジラミについて、Hepotaさんが宮武頼夫先生に照会して下さり、クロバイにつくクロバイトガリキジラミ Trioza esakii Y. Miyatake, 1975 だろうというご意見をいただくことが出来ました。近似種のシロバイトガリキジラミ T. kasugaensis とともに奈良の春日山原生林の調査で発見され、宮武先生が記載された種で、クロバイをホストとする種ということです。詳しくはお二方のコメントと大阪市立自然史博物館研究報告をご覧ください。

サクラの葉裏にとまっていたの一種。体色が白っぽいのでお馴染みの種のテネラルだろうと思って撮影しておいたのですが、後で写真を調べるとこの辺でよく見るカシトガリキジラミニッケイトガリキジラミなどとは翅脈がかなり異なります。
いつもの「山陰地方のキジラミ図鑑」を見ると、体色は別として翅脈はヒゲブトトガリキジラミ Stenopsylla nigricornis によく一致します。「額錐は細長く、左右に大きく開く」という説明にも矛盾しませんが、「触角に毛が密生する」という記述には合いません。少なくとも同種ではなさそうです。
体長は約2.8mm、翅端まで約4.8mmです。

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(2019.07.03・舞子墓園)

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コメント

ご無沙汰しております。
ツイッターで宮武先生が活動されており、このキジラミについて意見を聞くことができました。「♀の尾端の特徴などから、クロバイトガリキジラミTrioza esakiiではないかと?」とのことです。原記載は大阪自然史博物館のサイトからダウンロードできます。
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/publication/bulletin/html/29/29-008.html
翅脈が若干違うような気がするのですが変異があるのかもしれません。触角の先端2節が黒っぽいところとか、RとR1脈が黒っぽいところとかはそれっぽいです。クロバイトガリキジラミだとするとクロバイの葉にクロバイハマキフシという虫えいを作るようなので、この虫えいから成虫を得るのがかなり確実な判断方法と思います。

投稿: Hepota | 2019年11月26日 (火) 21時12分

自然史博の研究報告でごらんのように、近縁種にはシロバイトガリキジラミがいますが、触角の特徴、腹端の特徴、Rsが前縁により接近することなどで、クロバイトガリキジラミで良いように思います。見つけた近くにクロバイがないか探して見て下さい。この個体はかなりテネラルだと思うので、近くにホストがあると思います。

投稿: 宮武頼夫 | 2019年11月26日 (火) 23時02分

Hepotaさん、宮武先生、ありがとうございます。
翅脈がヒゲブトトガリキジラミに似ていると思っていたのですが、属も違っていたんですね。
撮影したのは近所の墓地なんですが、植物音痴なものでクロバイの木があるのかどうか、図鑑やネットで写真を見ただけでは分かりません。今度行ったときに探してみますが、花の時期にならないと見分けるのが難しいかも知れません。
このあたりでは個体数も多くはないと思いますが、来シーズンに再度このキジラミを見つけることが出来れば、記事で報告します。
とりあえず記事とタイトルを修正しておきます。どうもお世話になりました。

投稿: おちゃたてむし | 2019年11月27日 (水) 20時42分

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