カテゴリー「海のプランクトン」の134件の記事

2019年5月 4日 (土)

ビンガタカラムシの一種(Favella sp.)

近所の海で採集したビンガタカラムシ(Favella)の一種です。
繊毛虫の一種で、すでに2年前にも出しているのですが、今回は動画も撮りました。前回の記事にも書きましたが、撮影しようとしてカバーガラスの下に閉じ込めると短時間で弱ってしまうことが多いので、同じ個体を追い続けるということがなかなかできません。というわけで下の1枚目と2・3枚目は別個体です。

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元気な間は非常に活発に泳ぎ回り、低倍率でも追いかけるのは大変です。

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透明の殻に収まったツリガネムシと言ったところでしょうか。

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細胞が死んでも殻は損なわれずに残るので、種の同定はもっぱらこの殻の形態に拠っているそうです。

動画です。

(2019.04.26・西舞子海岸にて採集)

 

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2019年5月 2日 (木)

カイアシ類の一種

近年瀬戸内海の魚が減り続けているそうです。下水の普及や河川の改修による貧栄養化による植物・動物プランクトンの減少が主な原因ではないかと言われていますが、たまに近所の海でネットを曳くだけでも獲れるプランクトンが種類・量ともに10年前に比べてはるかに少なくなっていることは実感できます。
フィルムカメラ時代に何度も撮影したものの中にも、現在の機材で撮りなおしたいと思いながら未だに再会出来ない種類がたくさんあります。この日も久しぶりにネットを曳いてきたのですが、収穫はまったく期待外れでした。
下は乏しい収穫の中でちょっと気に入ったカイアシ類です。綺麗な叉肢 を持っていて、ちょっとこちらに似ていますが別種のようです。

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(2019.04.26・西舞子海岸にて採集)

 

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2019年1月 7日 (月)

カザグルマケイソウ(Actinoptychus sp.)

これはカザグルマケイソウ Actinoptychus の一種です。

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写真に写っている8個の細胞のうち画面上の4個と右下の1個は殻の上面にピントが合っていますが、残りの3個は奥の方にピントが来ています。これは多分細胞が複数個積み重なって段差が出来ているのためではないかと思います。

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円筒を輪切りにしたような形の細胞の蓋と底に当たる面は放射状に区分けされていて、凸部と凹部が交互に並んでいます。これは凸部にピントを合わせているのですが、左の細胞はかなり、右の細胞も少し傾いていてぼやけた部分があります。また凸部の外縁部に把手のような、あるいは紐を通す輪のような突起が見えます。

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これは凹部の殻面にピントを合わせたもの。凸部の殻の下の葉緑体が見えています。

(2018.12.27・西舞子海岸にて採集)


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2019年1月 4日 (金)

渦鞭毛藻の一種(Cochlodinium sp.)

海で採集した渦鞭毛藻類の一種です。
コクロディニウム属 Cochlodinium ではないかと思いますが、細胞表面を走る縦溝・横溝の配置が写真では不明瞭で、確実ではありません。

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写真では鞭毛も見えませんが、次の動画で横鞭毛の運動がどうにか確認できます。

(2018.12.27・西舞子海岸にて採集)

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2019年1月 3日 (木)

ウズムシの一種?

これはウズムシの一種だと思いますが、はっきりしません。シャーレの底を滑るように、かなりの速さで移動していましたが、カバーガラスの下に閉じ込めるとあまり動かなくなってしまいました。
体表の繊毛の動きが波のように見えます。

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動画です。


(2018.12.27・西舞子海岸にて採集。)

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2019年1月 2日 (水)

カイアシ類の一種

近所の海で採集したカイアシ類 Copepoda の一種です。カラヌス目(ヒゲナガケンミジンコ目)だと思いますが、それから先はさっぱり分かりません。

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付属肢の先が羽毛のように枝分かれして、その上赤いので非常に目立ちます。

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動画です。

(2018.12.27・西舞子海岸にて採集)

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2019年1月 1日 (火)

クリマコスフェニアの一種(Climacosphenia sp.)

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

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初日の出のつもりで選んだのですが、ちょっと無理がありますか?
これはネット採集で入ってきたものですが本来付着性の珪藻で、クリマコスフェニア属Climacospheniaの一種だと思います。下田海洋プランクトン図鑑というサイトにC. moniligeraという種の生体画像が出ていて、よく似ています。

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シャーレの水中で漂っているのを見ると八重の花のような立体的な群体なのですが、カバーガラスで押さえつけると全く重ならずに綺麗に拡がってくれました。

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見たところ平面的ですが細胞にはかなり厚みもあるようで、全面にピントを合わせることが出来ません。これは11枚使った深度合成です。

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中心部を拡大すると、細胞を繋いでいる寒天質の柄が見えます。また別種の小型の珪藻がこの部分に集まっているようです。

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多数の茶色い粒は葉緑体です。

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殻面にピントを合わせると細かな模様が見えてきます。

(2018.12.27・西舞子海岸にて採集)

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2018年12月31日 (月)

ヨコエビの一種

海産のヨコエビ類は以前にも2度ばかり出しています(2010.07.212012.03.12)。
科も属もさっぱり分かりませんが、色の綺麗な種が多く、採集物の中に見つけると撮影しています。虫の好きな人間には、節足動物はどれも面白いですね。

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赤い外殻の中に緑色の腸管が見えます。藻類を食べているんでしょうかね。

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これは第3~第7胸肢だと思います。

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先端には鋭い鈎爪が。これで海藻などにしがみついているんでしょう。

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こういう複眼があると昆虫っぽく見えます。

(2018.12.27・西舞子海岸にて採集)

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2018年11月26日 (月)

カラムシ目の一種(?Tintinnidae)

以前掲載したビンガタカラムシ(Favella sp.)やスナカラムシ?(?Tintinnopsis sp.)と同じくカラムシ目(有鐘目)の繊毛虫です。殻は細長く透明で、砂粒などの付着物はありません。また殻の口の部分はラッパ状に広がり、後部は細くなっていますが、残念ながらゴミに隠れて後端部がよく見えません。
いつもの日本海洋プランクトン図鑑で調べるとこのような特徴に該当するのはTintinnidae(チンチヌス科)なのですが、これで当たっているかどうか分かりません。
後端部にくっついたゴミから分離しようとカバーガラスをつついたり、横から水を足したりしてみたのですが離れてくれませんでした。

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動画です。

(2018.11.06・西舞子海岸にて採集)

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2018年11月25日 (日)

サシバゴカイの一種(?Typhlosclex sp.)

体長1.5mmほどのゴカイの仲間です。シャーレの海水の中では盛んに体をくねらせていました。
おそらくサシバゴカイ目で、保育社の日本海洋プランクトン図鑑に掲載されているヤムシゴカイ科のTyphlosclex mülleri という種に似ています。そこでTyphlosclex で画像検索をかけるとよく似た画像がいくつか出てきました。同種ではなくても属はこれで合っているのではないかと思います。幼生と呼べる段階なのかどうか分かりませんが、多分まだ成体ではないのでしょう。

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動画です。

(2018.11.08・西舞子海岸にて採集)

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