カテゴリー「チャタテムシ目」の97件の記事

2019年7月 2日 (火)

クロフチャタテ科 Aaroniella sp.

久しぶりにクロフチャタテ科の一種(Aaroniella sp.)の集団を見つけました。

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場所はモッコクの幹ですが、よく探すとこの周囲にもたくさんの個体がいました。

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このように頭上に糸を張り巡らせた上、その糸には自らの糞(?)を多数付着させていて、樹皮に溶け込む体色とも相まって隠蔽効果は抜群です。更にこのチャタテは何かが近づいてもほとんどじっとして動かないので、よほど目を凝らさないと見えてきません。
この写真の左上あたりに小さなオレンジ色の塊が見えますが、それを別カットから切り出したのが下の写真です。

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撮影時には全く気づいていなかったもので、卵のようにも見えますが、それにしては少々ぞんざいな産み付け方です。以前の記事にもこのチャタテの卵ではないかと思われる写真を出しているのですが、それとは全然違う状況です。さてどうなんでしょうか。

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画面左下が雄で右上が雌、だと思います。

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幼虫もいました。

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こちらは羽化直後らしく、脱皮殻も見えます。この錯綜したネットの下で無事に羽化を完了出来るとは驚きです。

(2019.06.23・明石公園)

 

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2018年10月31日 (水)

クロフチャタテ科 Aaroniella sp.

この夏から秋にかけての猛暑や台風、長雨などの影響か、いつもの公園でもお馴染みの虫の数が非常に少ない気がします。チャタテムシも例外ではなく、例年ならいくらでも見つかるはずの木の葉のケチャタテ類や樹幹で暮らすイダテンチャタテやムツテンチャタテ等もほとんど目にすることがありません。
このクロフチャタテ科の一種 Aaroniella sp. はもともといつでも見つかるという種ではありませんが、今年はこれまで全く見ていませんでした。写真は久しぶりに見つけた1匹です。

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このチャタテはいつも樹皮の間に張り巡らせた糸の下に潜んでいて、その糸には自らの糞と思われる小さな球体をくっつけています。カメラを近づけてもほとんど動かないのもこの種の特徴です。

(2018.10.22・明石公園)

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2018年3月24日 (土)

コナチャタテ科の一種(?Embidopsocus sp.)

伐採木の樹皮下にいたコナチャタテの一種です。
以前Psocodea さんにEmbidopsocus属の一種だと教えていただいたものによく似ていて、おそらく同属でしょう。同種かどうかは分かりませんが、体の色や光沢の具合に違いがあるので別種ではないかという気がしています。

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体長約1.4mmです。

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(2018.03.17・学が丘北公園)

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2017年7月 5日 (水)

卵塊に糸をかける?トビモンケチャタテ ?Valenzuela gonostigma

アベマキの葉裏で、産卵後の卵塊に糸を掛けていたチャタテムシ。以前の記事のこちらこちらやこちらと同じく、トビモンケチャタテと思われます。

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(2017.06.16・明石公園)

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2017年3月30日 (木)

ヨツモンホソチャタテ・翅脈異常?

マテバシイの葉裏で、うすい網を貼ってじっとしていたヨツモンホソチャタテです。
3年前にも同じタイトルで、変則的な翅脈を持ったヨツモンホソチャタテの写真を掲載したことがありますが、この個体も片方の前翅の翅脈が変です。
チャタテでこういう現象に気づいたことがありませんが、前の記事でも引用したようにハンマーさんがマダラニセケチャタテで同様の異常を観察されています。私のように写真を撮るだけでは普段気づかないだけで、おそらくこの仲間ではよくあることなんでしょう。

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右から見ると特に変わったところはありませんが、

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左前翅の翅脈が正常ではありません。

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前回の記事の個体とはまた違った形です。

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ついでに顔面写真。

(2017.3.21・学が丘北公園)

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2016年8月16日 (火)

ウスベニチャタテ・孵化

ハゼノキの葉の裏で、ウスベニチャタテの卵が孵化していました。

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卵から出てきた幼虫が4匹。卵殻そのものにはピントが合っていませんが、色の薄いのはすでに幼虫が出た後のようです。

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母虫の産卵とその後の糸かけの様子はこちらに出していますが、かけられた糸はケチャタテ類(こちらこちら)やウスイロチャタテに比べると疎らです。その代わりかどうか糸の上に小さな粒が並んでいますが、粘着性でもあるのかどうか、よく分かりません。

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孵化の際にこの糸が邪魔にならないのかと、いつも不思議に思います。

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同じ葉裏の少し離れた場所に集まっていた孵化幼虫。体長約0.75mmです。

(2016.07.29・学が丘北公園)



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2016年8月 7日 (日)

ウスベニチャタテのムシカビ

ツバキの葉裏にいたウスベニチャタテ。よく見るとすでに死んでいました。ムシカビに侵されているようです。

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腹部がカビに覆われています。

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カビも寄主に合わせて薄紅色?

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顔を見れば雄です。生時には赤っぽい複眼も死んでいます。

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お尻から見たところ。かなり厚く覆われているように見えます。

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こちらは生きているウスベニチャタテの雄です。

(2016.07.21・学が丘北公園/5枚目のみ2016.07.23・明石公園



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2016年3月22日 (火)

チャタテムシの一種・孵化

つい先日も同じタイトルの記事を出していて、孵化の様子や幼虫の形も全く同じように見えますが、今回の卵は葉裏ではなくアラカシの幹に産みつけられていたので、当然別の、樹幹棲の種のものと考えました。
こういう、全体を絹糸に覆われたチャタテの卵塊は各種の広葉樹の葉裏でちょっと探せばいくらでも見つかりますが、樹幹で見ることははるかに少ないようです。平坦な葉裏に比べて目立ちにくいだけなのかも知れませんが、それにしても普段樹幹で見かけるチャタテの種数や個体数から考えて少な過ぎる印象です。ひょっとするとこれは通常葉裏に産卵する種が例外的に産みつけたもので、本来樹幹を住処とする種は樹皮の割れ目などに産卵してこのような卵塊を作らないのではないかという気もしています。

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ちょうど見つけた時に、卵塊の左端から1匹顔を出していました。

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(2016.03.17・明石公園)

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2016年2月29日 (月)

チャタテムシの一種・孵化

ヤツデの葉の裏で、ちょうど孵化の途中のチャタテムシの卵を見つけました。

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最初私の老眼では卵塊に付いたゴミにしか見えませんでしたが、卵から出てきたばかりの孵化幼虫でした。

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現場で孵化したのはこの1匹だけでしたが、卵塊の付いた葉を切り取って自宅に持ち帰って様子を見ていると、夜までの間に更に数匹が孵化してきました。

まず1匹。

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隣にいるのは先に出てきた兄弟です。

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同時進行で、もう1匹。

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右下の塊は、孵化に失敗した卵のようです。

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チャタテの種類は分かりませんが、このあたりかも知れません。

(2016.02.16・明石公園、及び自宅)

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2016年2月15日 (月)

卵塊に糸をかけるウスイロチャタテの一種(Ectopsocus ?briggsi)

落ち葉めくりをしていると、いつものウスイロチャタテ科の一種(Ectopsocus ?briggsi)がでてきました。

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この冬は何度も撮っているのでまたこいつか、とばかり放り出すところでしたが、よく見れば足元に白い卵がいくつか見えます。

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さては産卵中か、と気付いてしばらくそっと様子を見ていると、やがて卵に糸をかけ始めました。ちょうど産卵が終わったところだったのか、あるいは邪魔が入ったので途中で切り上げて次の行動に移ったのかもしれません。卵塊を跨ぐように頭部を左右に大きく振って糸をかけて行きます。

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体をゆっくり回転させながら縦横斜めと満遍なく糸をかけます。結構素早い動きです。

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作業開始から約20分後。

結構時間がかかりそうなので、動画も撮ってみました。

大きなキリの枯葉はくしゃくしゃの上によく乾燥して扱いづらく、それをしゃがんだ膝の上に載せての撮影なのでブレが大きく見苦しい映像です。

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撮影を始めてから約35分で作業が終わったようで、母虫は立ち去りました。
卵は一端がやや尖っていて、約0.4mmの長さです。こちらと同じものかも知れません。

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これは同じ日トベラの葉の裏にいた、同種と思われる雄です。別の葉でも1匹見つけました。
約1ヶ月前にも同じ種を撮っているのですが、やはり雌は落ち葉の中で、雄は木の葉(アオキ)で見つけています。雌雄で居場所の好みが違うんでしょうか。

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上の雄の近くにいた幼虫です.
おそらく同じ種だと思いますが、そうだとすればこの幼虫はどこで生まれたのか気になります。

(2016.02.05・学が丘北公園)




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