カテゴリー「虫こぶ」の19件の記事

2018年9月23日 (日)

ヒシチビゾウムシ?

イヌビワの葉裏で見つけた小さなゾウムシです。色やサイズから最初チビハナゾウムシかと思ったのですが、ちょっと違います。
そこで保育社の甲虫図鑑を調べると、ヒシチビゾウムシ Nanophyes japonicus にたどり着きました。ヒシの葉柄に産卵するとありますが、この公園には池やお濠もたくさんあるものの、ヒシがあったかどうか、普段よく見ていないもので分かりません。しかし写真で確認できる限りでは、形態的な特徴はよく一致するようです。

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図鑑には、腿節に歯は無し、吻は曲がらない、とあります。また、ホソクチゾウムシ科の中でも爪が基部で融合するのはチビゾウムシ亜科 Nanophyinae の特徴だそうです。

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触角柄節が長くくの字状に折れ曲がるのも亜科の特徴。体長約2.4mmで、図鑑の記載より少し大きめです。

(2018.09.18・明石公園)

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2018年5月 3日 (木)

コナラの葉のゴールに産卵するヒメコバチ科Tetrastichinae亜科の一種

コナラの若葉の葉裏で産卵する小さなハチを見つけました。

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タマバチだろうと思いながらよく見ると体長2mm足らずのヒメコバチでした。葉脈の脇に産卵管を突き刺しています。

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こちらに似ていて同じTetrastichinae亜科だと思いますが、産卵場所がかけ離れているし、触角の色も異なり、別種のようです。

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同じ葉の2、3カ所で産卵しましたがいずれも葉脈付近です。ヒメコバチ科は、すべてそうなのかどうか知りませんがまず寄生性と考えて間違いないでしょう。産卵管の先には何が潜んでいるんでしょうか。

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葉を表から撮ったものですが、側脈上に数カ所、白っぽくなった部分があります。ハチはこの部分を狙って産卵するようです。

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同じハチが、今度は葉の表に回って産卵を始めました。

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やはり側脈の上です。

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産卵管を刺している部分をよく見ると、少し膨らんで色も変わっています。こちらとかこちらのようなタマバチのゴールでしょうか。そうだとしても、この僅かな膨らみから推測すると寄主はまだ卵か、せいぜい孵化直後の微小な幼虫でしょうね。

(2018.04.28・舞子墓園)





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2018年4月19日 (木)

ヤノイスアブラムシ 幹母

赤い花のついたイスノキの新葉に、ヤノイスアブラムシの新しいゴールができ始めていました。

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まだ僅かな膨らみに過ぎませんが、やがて成長するとこんなふうになります。

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探してみると、まだ閉じていないゴールもあって、アブラムシの幹母が見えています。

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体長は約0.35mm。

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幹母の体の下は陥没し、周囲の組織が盛り上がっています。
こんなに小さな虫が吸汁すtることによって葉の組織に変化が起こり、やがて内部にアブラムシのコロニーを包み込んだ立派な虫こぶが形成されるというのはほんとに不思議です。

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この葉ではたくさんのゴールができつつあって、いくつかはすでに口が閉じています。

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閉じつつあるゴール。こころなしか、中の幹母もやや太っているようです。閉じて間もないゴールはこちらに出しています。
このゴールからは初夏の頃に有翅胎生虫が脱出してきてコナラに移動して繁殖し、秋には有翅産性虫が再びイスノキに戻ってくるはずです。

(2018.04.10・明石公園)

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2018年4月 8日 (日)

イスノキエダイボフクロフシ?

いつもの公園のイスノキにはいろんな種類の虫こぶができますが(こちらこちら)、こんなものもあります。

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直径2~3cmの茶色い虫こぶがたくさんついています。

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ネット画像との絵合わせではイスノキエダイボフクロフシというのが似ていますが、ちょっと形が違うような気もします。

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一つ割ってみました。

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もちろん、内部はアブラムシで一杯です。

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虫こぶがイスノキエダイボフクロフシで合っているとすればその住人はヨシノミヤアブラムシということになるのですが・・・。

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虫こぶの中のアブラムシはすぐにひっくり返ります。外の世界で生きている仲間と違って、足場を失っても生死に関わる心配がないからでしょうか。

(2018.03.24・明石公園)

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2017年4月17日 (月)

ニッケイトガリキジラミの幼虫

ヤブニッケイの葉裏に寄生したニッケイトガリキジラミ Trioza vinnamomi の幼虫たちです。

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これは多分終齢でしょう。体長約2mm。

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これはやや若齢で体長1.2mmほど。

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脱皮直後でしょう。ワックスもまだ充分伸びていません。体長約1.4mm。

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寄生された葉はこんなふうになります。ニッケイハミャクイボフシと呼ばれる虫こぶです。
今回は見られませんでしたが、ニッケイトガリキジラミの羽化の様子はこちら、幼虫の脱皮はこちらに出しています。

(2017.04.05・明石公園)

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2016年9月13日 (火)

イスノキエダナガタマフシとイスノフシアブラムシ

いつもの公園のイスノキに大きな虫こぶがたくさんついていました。イスノキエダナガタマフシだと思います。
実は6年前にも同じタイトルの記事を出しています。その時掲載した写真の虫こぶは形が曖昧で別種の可能性もありそうだったのですが、今回のものはイスノキエダナガタマフシで間違いないでしょう。
形成者はイスノフシアブラムシ Nipponaphis distyliicola で、「虫こぶハンドブック」によれば「11月頃有翅胎生虫がアラカシなどに移住、春に有翅産性虫を生じ、これがイスノキに戻る」ということです。この場所でも冬の間、アラカシの枝でこのアブラムシをよく見かけています。

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形はイチジク状で先端に棘状突起があり、長さは5cmくらい。左後方の茶色いのは去年かそれ以前の虫こぶでしょう。

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1個を割ってみました。

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中はアブラムシと、綿のような蠟物質が一杯です。

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中でも大きめ(体長0.7~0.8mmくらい)で多量の蠟物質を纏ったものが成虫でしょうか。

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体長0.5mmくらいの幼虫たち。

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虫こぶの中を覗いていて面白いと思ったのは、その住人がちょっとした風にも簡単に吹き飛ばされたり、僅かな振動でも足場を失って転げまわるということです。普通の枝葉で暮らしているアブラムシにとっては死活問題であるはずですが、閉ざされた虫こぶの中ではどちらに転んでも食事にあぶれる心配は無いということでしょうか。

(2016.09.02・明石公園)

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2016年7月26日 (火)

ハリエンジュハベリマキフシを食うヤブキリ

昨日記事にしたハリエンジュハベリマキフシを撮影中、ふと気が付くと傍らに垂れ下がった枝でヤブキリが葉を齧っていました。

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はじめは単に葉を食っていると思ったのですが…。

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虫こぶを齧っているのでした。

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狙いは中の幼虫や蛹でしょう。

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一休みして身づくろい。

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旺盛な食欲で、たくさんの虫こぶを次から次へと齧っていきます。口元のアップを撮りたかったのですが葉が揺れるのであきらめました。

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食べられた後のハリエンジュハベリマキフシ。虫こぶを作ったタマバエもそれに寄生したハラビロクロバチも、もろともにヤブキリのお腹の中へ消えてお終い、ですね。

(2016.07.06・明石公園)

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2016年7月25日 (月)

ハリエンジュハベリマキフシ

ハリエンジュ(ニセアカシア)の枝に、縁が巻き込んだように膨れている葉がたくさんありました。帰宅してから調べると、ハリエンジュハベリマキフシという虫こぶで、ハリエンジュハベリマキタマバエ Obolodiplosis robiniae というタマバエの一種の寄生によってできるものだそうです。

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日光に透かしてみると(実はストロボ光ですが)何か影が見えます。

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ナイフの先でそっと開けてみるとこんなものが・・・。
しかしちゃんと撮影する前にうっかりとり落としてしまいました。

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これは別の虫こぶから出てきました。色は薄いですが上と同じもののようです。
ネット画像を探すと、フッカーSさんの東京23区内の虫2に同じものが掲載されていました。これは虫こぶを作った犯人のハリエンジュハベリマキタマバエではなく、それに寄生するハラビロクロバチ科の一種(Platygaster robiniae)の蛹なのだそうです。

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上の写真の一部拡大です。
米粒をたくさんくっつけたような格好ですが、それぞれの米粒が一つの蛹なんでしょう。0.7mm前後の長さですから、成虫もかなり小さなものでしょう。年1化であれば冬場の葉裏探しで越冬個体を見ている可能性もありますが、もし撮影していてもそれとは分からないでしょうね。Platygaster robiniaeの成虫の画像は海外サイトでいくつか見られますが、これといった特徴もなさそうな黒くて小さなハラビロクロバチです。

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さらに別の虫こぶを開けると、ようやくタマバエのものらしき幼虫が出てきました。青い繊維がくっついていますが、これは取り出した時に私の手か衣服からついたものでしょう。

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頭部を見れば確かにハエの幼虫です。
体長は約3mmです。

(2016.07.06・明石公園)

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2016年4月14日 (木)

ナラメリンゴフシに産卵するオナガコバチの一種(?Torymus sp.)

コナラの幹から伸びた細い枝の先に丸い虫こぶが、と近づいてよく見ると、青緑に輝く小さなハチがとまっていました。オナガコバチの一種です。
ハチは虫こぶの周りを歩き回っては産卵管を突き刺しています。ときどき飛び去ってはまた戻ってくるので正確には分かりませんが、3匹くらいいたようです。体長は小型の個体で3mm、大きいので4mmくらいでした。
この色合いは以前に一度だけ撮ったTorymus属の一種と同じで、その属名で検索してみるとよく似た画像が多数出てきました。また蜂が好きに掲載されたハンマーさんの画像は属名は挙げられていませんがやはりナラメリンゴフシに産卵中のもので、同種ではないかと思います。

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細い枝は風に揺れ、それを止めようとして手を触れるとハチは即座に飛んで行ってしまいます。これではごく低倍率でしか撮れないので、逃げられるのを承知で虫こぶのついた枝を曲げ、幹に近い別の小枝に引っ掛けて揺れを止め、ハチが帰ってくるのを待つことにしました。手荒なことをしたので1、2時間は覚悟していましたが、その辺で30分ほど時間つぶしをしてから様子を見に戻ると、すでにハチは帰ってきていました。

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小細工のおかげで揺れも気にならなくなり、背景も冴えない幹の色ですが真っ黒にならずに済みました。

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穿孔にはあまり抵抗もないようで産卵管は見る間に入っていきます。周囲を歩き回りながらかなり短い間隔で刺したり抜いたりを繰り返していましたが、多分その度に産卵しているのではなく、そうやって適切な場所を探しているようです。その間には数分間突き刺したままの姿勢を保っていることもあって、その時には実際に産卵していたものと思われます。

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産卵管が体長より長いので、脚を伸ばし腹部を目一杯持ち上げて虫こぶに突き立てています。

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これは産卵管を引き抜いた瞬間です。この腹部はどんな構造になっているんでしょう。

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こういう場面はついつい真横からばかり狙ってしまって、背面像をほとんど撮っていませんでした。

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(2016.04.10・学が丘北公園)

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2015年5月 8日 (金)

フジハフクレフシとタマバエ幼虫

下の写真はフジの葉ですが、裏面に円い虫こぶが出来ています。フジハフクレフシと呼ばれているものだと思います。

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フジと言ってもヤマフジの方かも知れません。フジ(ノダフジ)とは蔓の巻き方などで見分けられるそうですが、撮影時にはそこまで見ていませんでした。

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一つの虫こぶを切開してみました。

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フジハフクレフシの形成者はタマバエの一種だそうなので、これがその幼虫でしょう。

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これは別のゴールから取り出した幼虫で体長2.5mmほど。上の写真のものより成長が進んでいるようです。盛んに体をくねらせて動き回るのでうまく撮れません。

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手前が頭、でしょうね。
(2015.05.09・追記)早速 ezo-aphidさんからコメントをいただきました。やはりこちらが頭部で、その腹側(画面では右側)に見えるY字型はタマバエ類特有の胸骨という器官だそうです。

(2015.04.27・神戸市西区水谷)

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